真夜中のアリス
「…やっぱり。まさかとは思ってたけど、あたしが予想してたのと一緒みたいね」
「ええ。だってここはあなたが見る夢の世界ですから。
願いが叶わなければ些か可笑しな話でしょう?」
空を仰ぎはぁとため息が出る。こんな時は何時だって雨だったのに今は頗るの青。晴天で雲ひとつない。これだって夢の一部でしかない。
悲しさが胸を過る。ここでも逃げようとしていた事実から、とうとう真正面から受け止めなくてはならない、それを認めなければならない。ということは、あたしはそれを本当にもう受け入れなくてはならなくなるからだ。