真夜中のアリス
「まるで魔法がかかったんじゃないかと思ったの。あたしの事なんて知る筈のない彼が知っていてくれただけじゃなくて、女の子として見ていてくれたことが」
新たな繋がりが生まれ、その距離を埋めていくように色んなことを話した。掲示板の前で会えば少しお喋りして、同じ講義であれば席は隣に座り一緒に授業を受ける。そして気の合う友人と固まってランチタイムは学食に集まってあまり美味しくはないメニューに口々に不平不満を漏らしながら口に進めていく。
授業後は街中に繰り出したり、彼とあたしは友人として交流を始めたのだった。
「あたしはずっと好きだったけど、彼の真意がわかんなくて。というか、まさかと思っていたから2年くらいは友達として一緒にいたの。あたしの気持ちを悟られないように必死だったけどね」