真夜中のアリス
キラキラと輝く毎日だった。叶わない恋だと思っていたそれは、色が付き鮮やかに光り世界が輝きに満ちていた。
けれど同時にそれは黒の脅威に怯える日々の始まりでもあった。
「あまりにも幸せだったから、怖かった。
いつか、いつか彼があの時の大切なあの子のように何も言わずあたしからいなくなっちゃったらどうしょうとか、やっぱり住む世界が違いすぎたから彼にあたしは相応しくないんじゃないかとか。周りの目も怖かったの」
幸せと比例するように心に過る黒。それはまるで、この世界に来た時に包まれてしまったあの黒と同じようものだった。笑っていたけれど、猜疑心と不安が積もり始め夜が急に恐ろしく思えた。