真夜中のアリス
「え…?」
「自分を追いつめて、卑下をするのはやめてください。そんな事を…、彼は望んだりはしていません。
それは不運な事故であり、彼の運命だったんです。
きっかけはどうであれ、彼がこうなる事は悲しい事ですけど決まっていたのです。」
凛とし続けていたレジーナの表情は曇り、慈愛を持った優しい口調で幼子に言い聞かせるような優しさが含まれていた。
「…でも。でも…」
「彼はアリスを守れた、ただそれだけで良かったんだと思います。例え自分がどうなってしまおうとも。けれど、あなたを残していってしまった事実に彼もまた苦しんでいるんです。
だから。
もう自分をお許しになってください
そして、彼の為にまた笑ってください」