真夜中のアリス
貫くように瞳、瞬きさえも許さないその視線に時間が止まったように動く事が出来ない。
全て、その通り。見抜かれていた自分の陳腐な感情に今更気付く。
「…そう。朱鳥くんがいなくなってから……
みんながいう言葉の裏側ばっか考えて、本当は彼の代わりにあたしが……。なんて思うようになってた…」
朱鳥くんがいなくなったのは全てあたしが招いた事。誰からにも慕われて必要とされていたあの人をあたしのせいで失わせてしまった事、その事実も知らず知らずに重荷のひとつにと変貌していた。