真夜中のアリス
「………誰に言ったらいいかわからないけど…ごめんなさい。
芋虫さんだって話してくれたのに、あたしが勝手に心閉ざしてたみたいだね。
あたしの願いは手を伸ばせばすぐ傍にあったのに、気付いてなかったみたい。」
涙でぐしゃぐしゃになった顔で、漸く思い出した笑い方で笑ってみる。
これなら、きっと朱鳥くんも笑ってくれる筈。
固かった表情のレジーナもにっこり笑って、席を立つ。そして高らかに女王は告げる。
「これで、お茶会も終わりです。
さあ行きましょうか、アリス。
最高のフィナーレを奏でる為に!」