真夜中のアリス

何度可愛いと褒められても、やはりあまり嬉しくないものだ。あたしは可愛いから縁がないと思うし。けれども確かにこんなもの、ナイトさんが持っていて違和感が感じる。

というか、なんであるのだろうか?なんて考えながら難しい表情をしていたのだろうか、更にナイトさんは口を開けて豪快に笑い出す。

「そんな目で見んなって!俺が使うわきゃねぇよ!当然勿論アリスに渡す為に決まってるだろ?だって俺はマッドハッター、“狂った帽子屋さん”なんだし?」

その言葉には納得せずにはいられない。そうだ、そうであったと。

「もー、やだ。ほんとあたしのイマジネーションの乏しさを垣間見る一瞬だわ…」
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