真夜中のアリス
お茶会の場所から幾分か歩き続け、いつまでも背後を振り向きながら下を向くあたし。
「……はぁー……」
やはり一時だけの出会いだとしても、別れは寂しいもので何となく落ち込んだ気分を否めないまま二人の背を追い後へと続く。
心と比例して、高鳴る音楽は明るいものでこれから起こるであろう、最高にして最幸なラストエンディングに向けて相応しい明るく朗らかで幸せが溢れた優しい曲。
「もう、いつまでうだうだ言っているおつもりですか?アリスがそんな態度を続けるというのならば、やはりウサギさんの首をちょん切ってしまいますよ?」
赤い髪をはらりと揺らし、華麗な立ち振舞いのまま背後に振り向き声色は冷めたまま、変わらない無表情な笑みを浮かべてレジーナは語る。