真夜中のアリス
The truth of a key
多少の重苦しい雰囲気を醸し出しながらそんな前振りから始まれば、緊張感が生まれたり胸の動悸だって早くなる。何の気なしに口にしたそれの解答を、今か今かと胸をときめかせてドキドキして待つ自分がいた。
高らかにトランペットの音色は鳴り響いたまま、気分も勇ましく向上しているようだ。
「それはですね…、ていうか何ですかアリス。その百面相は」
レジーナは呆れんとばかりに閉口し、やれやれといわんばかりにはぁと溜息をひとつ。そんな姿に思わず苦笑いでごめんごめんと誤魔化す。
「いやなんかいきなりさ、重々しいだもん。変に緊張しちゃって…」
「レジーナは変に威圧感があるからねー。まあそれが女王様らしく威厳を保っている…」