真夜中のアリス
そんな軽口まで聞けるまでに回復したようだ、身体も心も。
カウンセリングを受けたりもしたし、先生との面談もした。駆け付けてきた両親ともゆっくり心情の吐露もした。
お墨付きで精神面はもう大丈夫とのことみたい。
長いすごく長い、そして不思議で不可思議な夢を見た。内容こそ思い出せないけれど暖かな記憶と薔薇の薫り、そして最後に交わした言葉だけはしっかりと心に刻まれている。
意味は分からないけれど、もう泣かないよって約束していた。それだけは忘れちゃいけないんだと思う。
だからこそ、前だけを見て進もうと思える。
「ねえつかさ、退院したらさ今度、朱鳥くんが眠ってる場所に一緒に行ってくれないかな。
貰った地図、なくしちゃって。」