真夜中のアリス
あらすじ
雨の日、恋人の朱鳥を亡くした瑠衣。心に受けた傷は雨と共に深くなり再起出来ずにいた。
雨続きのある夜、生きる事に意味を見出せず朱鳥を追って氾濫している川に身を投じる。同時に何かが横切る。
そこにいたのは、不思議な姿の黒いウサギ。プイと瑠衣の前から姿を消すウサギを追うその途中で、ダストシュートを見つけ覗き込むと転落し瑠衣は別世界に迷い込む。
別世界で黒ウサギと理解し合うが離れ、瑠衣は「闇夜の日」という自分の心の暗闇に惑わされる。
不思議な世界で出会う住人の言葉と過去の暖かな記憶を取り戻し絶望から這い上がる。
鍵を手渡され薔薇園へと誘われ、そこには彼が待っていた。
懺悔を告げ、彼に笑顔で生きていくと約束し現実世界へ回帰する。この不思議な世界は全て瑠衣が見る夢の中の世界であった。
瑠衣は、傷は消えないまでも晴れ晴れとした想いと新しい夢を見つけ自分らしく生きるために一歩を踏み出したのだった。