真夜中のアリス
絞り出した唯一の言葉。
視界にはあり得ない映像が流れている。
あの日を…忠実に再現している。
あの日のあたしも、あの人もそこに、いた。
降り始めた雨 声にならない慟哭。そして微笑み。
頑丈な木箱の中へ封じ込め重石をのせて、幾重にも鎖で巻き付け錠をして深く深く記憶の海へ落としたはずのそれ。
「…や…め…っ」
何も思い出したくない、何も見たくないの…!
嫌だ…嫌だ…嫌だ…!!
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