真夜中のアリス
Scene2 “The forest of the hesitation"
頭の奥から聞こえる声。幼子の笑い声。
まだ光も闇も理解が出来ないくらいの幼子の声。
嬉しそうで幸せそうで、声をあげて思い切り笑っている。
…うるさい。黙れ。
そう念じてもやむことはなく、更に声は甲高く聞こえてくる。
何がそんなに楽しいの
何がそんなに幸せなのよ
苛立ちが止まらないと共に、表れるのは焦りにも似た羨望感。
あたしは笑い方なんて疾うの昔に忘れてしまったというのに。
どうして笑える?どうして君はまだ闇を知らない?
あたしは…暗すぎて星さえ見えないというのに。
Scene2 “The forest of the hesitation"
「…いたたた」