真夜中のアリス
「…ちょっと!人の話を聞きなさいよ!」
「聞いているよ!もうアリスは相変わらずせっかちさんなんだから!でも今は急いでるからまた今度ね!」
そう、言い捨て。ウサギはスピードをあげて駆けて行く。それは草原を優雅に駆け抜けてゆく馬を連想させるような速さで。もちろん、そんな速さに追い付くわけもなくまたあたしはひとり取り残されてしまったようだ。
「はぁーはぁー…,。何よあれ…。反則じゃないの…?」