真夜中のアリス
「うーん…なんて言えばいいのかな…。あ、アリス、お茶飲む?」
「話を逸らすな!…飲むけど。」
どこから出したのやら。小さな水筒を取り出して、コポコポとコップに注ぐ。
「てかコップ、ちっさ!」
「当たり前じゃないか。僕専用のなんだから。
もうアリスは文句ばっかりなんだから!」
小さなコップに淹れたてのお茶を差し出される。それを受け取って、一口で飲み干す。それこそままごとサイズのコップだからだ。
「…少ないけど、温まるなぁー」
「…あのさ、味の感想くらい言っても良くないかな?」
あたしの言動に呆れつつもウサギはもう一杯注いでくれて、自分用にもコポコポと注ぐ。
馨しい薔薇のが香り。これはローズティーだろうか。