真夜中のアリス

渋々起き上がり、仕度を始める。
鏡に映る自分の姿に改めて絶望する。パサパサでボサボサな上に枝毛ばかりの茶色と黒が混ざり合った長い髪と、ひどく瘦せこけた頬。確かに最近あんまり食べてなかったからなぁと少し納得して冷水で顔を洗う。
軽く化粧を施して服を着替える、今日は学校だけだし、パーカーとジーンズでいいか。
そうこうしつつ、朝の情報バラエティを流し見しながら、コーヒーを用意する。
そんな当たり前の行動、変わり映えのない日常。ふと虚しくなる。あの人がいなくても、世界は時間は歩みを止めることなどない。いつまで悲しんで過ごすことは赦されない、そう言われているようで。
< 6 / 349 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop