真夜中のアリス
「静かに聞いて。決して信じる事をやめないで。
やめてしまうと、君まで闇に取り込まれてしまうかもしれないから…」
そう話すウサギの瞳は不安から揺れ動き、身体も少し…心なしかカタカタと震えているようは気がする。注意しなければならない程の恐怖が待ち構えている街。この先には一体いかほどの出来事が待ち受けているのか、皆目検討はつかない。けれど。
「大丈夫よ、ウサギ。よく分かんないけど、街にいる間はその通りに行動すればいいんでしょう?あたしは大丈夫、これ以上何も失うモノはないしあの時以上に怖いモノなんてこの世界にはないもん」
「…アリス…」