真夜中のアリス
Nightmare
+◆所変わって◆+
「ちょ…、なんなのよここ!?」
胸の動悸を抑えながら希望を持ちウサギと共に入った街は、あり得ない風景にあり得ない事だらけだった。
「何を驚いているの?」
「驚くも何も…!ここ、あたしの住んでる街じゃん!!」
驚きのあまり目を何度も擦りしっかり瞼を開けて眺めた。ただ違っていたのは、門と門番がいて、いつまでもトランペットの高らかな高音のファンファーレが響き渡っていることと、見覚えのない高地にあるはずのない巨大な白亜の城。所々に薄紅やら朱の薔薇をモチーフにしたような国旗みたいな旗が空を泳ぎ靡いている。
ただそれだけで、いざ入ってしまえば見慣れた街並み、既視感。