俺は、天真爛漫なあのコに流されている


「ねぇねぇ。二人とも飼えそうにない?」


 湯川が、二人にすがるように訊くも、


「うち、動物禁止のマンションなんだよねー」

「うちは、親が動物超苦手で。前に犬を拾ってきたら、私メッチャ怒られたもん。だからごめん。無理だわー」


 山村と姫野が、それぞれ飼えない理由を気まずそうに述べた。

 急に飼えるヤツって、早々いないよな。


「果奈は……飼えないの?」


 今度は、姫野が湯川に聞き返した。途端に、湯川の表情が曇りだした。


「うん……お母さん動物の毛に弱くて、すぐアレルギー反応を起こしちゃうんだ」

「そっかぁ。それじゃあ無理だよねー」


 山村のその一言に、湯川はますます顔を曇らす。

 なんか、今にも目から雨を降らしそう。

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