世界の嘲笑にアルカイックスマイルを
聞こえてきたチャイムに、渋々名残惜しく離れればペロリ、唇をなめられた。
『……なに、足りない?』
「せんせ、は?まんぞくした?」
頬を上気させ、目を潤ませて、彼女は舌ったらずに話す。
『…………してない、って言ったら?』
「そうたい、しよ」
『……ばか、放課後まで授業は受けなさい』
「せんせがばかって言っていーの、」
『いいの、放課後駅の駐車場にいるから』
「ん、ねむい」
人の話を聞く気がないんだかあるんだか、
体温が上昇したらしく、うとうと船をこぎ始めた彼女を足の上で抱き寄せた。
……あと、少しくらいならこのままでいいかな。
そのぬくもりに、思わず気が抜けて笑った。
「……な、にわらってる、、の」
微かに目を開き、彼女は欠伸をひとつした。
『なんでもない』
「うーそだ」
それには答えずそっと髪を撫で頭を撫で、ぎゅっと彼女を抱き締めた。
『授業受けろよ、』
それだけ言って、彼女に背を向け廊下へ向かう。
「せんせ、放課後楽しみにしてる」
その一言に、想像以上に舞い上がっている自分がいて呆れた。
それと同時に、思い知る。
彼女にきっと振り回される、これからも。
甘い囁き、は毒でしかない
────────────sweet nothings