世界の嘲笑にアルカイックスマイルを
『いっっ』
がぶっと勢いよく頸に噛みつかれる。
彼女は歯形のついたそこを眺めて満足げな吐息をもらすと、歯形に沿って舌を這わせた。
ぞくぞくと快感が背筋を駆け上がって、遠くで微かに聞こえる生徒のざわめきで辛うじて理性を保った。
それが分かったのか、彼女は唇を尖らせるとちろっと俺に鋭い視線を投げた。
『だめ、だ。離れろ』
「やあだ。ね、せんせ?
理性なんかぶっ壊しちゃえ」
その眼は挑戦的であり欲情的であり扇情的で。
唇が重なるギリギリまで近づいて、互いの呼吸が混じる近さまで近づいてきながら、スッと離れた。
興味を失ったかのように視線を外され、彼女は立ち上がろうとしている。
「せんせ?」
無意識だった。