【続】興味があるなら恋をしよう
「どうだ?少しはお腹は膨らんだか?」

「え?」

「…あぁ、ハハ。妊娠の事じゃないぞ?お腹は一杯になったかな?」

「はい」

沢山あった料理も、かなりお皿が空いた。

「んー、じゃあデザートは何にする?」

メニューを渡された。

「えーっと、…抹茶白玉あんみつ、の、スペシャル、で」

「ハハ…、流石、別腹だな」

「はい、それ用にスペースを設けますから」

「ハハ。じゃあ、…俺は、と。
わらび餅にしようかな。
日本茶もいるだろ?抹茶にしようか…」

「はい、お願いします」

「ん」


課長の気遣いは、自然というか、されて、あっと思う事がよくある。
相手の事を思うという事は、そういう事が出来てこそだと思う。

嬉しいと思う事を言える事、出来る事って、…羨ましい。
私は少しでも出来ているだろうか。
きっと自分の事しか考えていない…。
だから…。

…我が儘な事を。


「ん?流石に苦しくなったか?
白玉一つくらいなら手伝ってやれない事もないぞ?」

…あ、いけない。
これでは、なんの為の外食やら。

「課長のわらび餅も、きな粉と黒蜜が美味しそうだなって」

「んん?この黒蜜、旨いぞ?」

「ですよね」

「…いいのか?食べなくて」

「はい、また、いつかの楽しみに、取っておきます」

「…そうか?いいなら、いいけど。
最後の一つだぞ?いいのか?食べてしまうぞ?」

…課長。

「フフ、はい、どうぞ食べてください」

上手く誤魔化す事も出来ない。
結局、下手な会話になってしまった…。

私は何も隠せない。
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