【続】興味があるなら恋をしよう
俺がソファーに寝るのは、単純な理由からだ。
紬の身体を休める為にはシない事。
シないで一緒に寝ている事が辛いからだ。
ただ、それだけだ。

はぁ。
だから、紬が眠ったのを確認して、いつもここだ。
…どちらにしても寝られない事に違いないけど。

はぁ。瞼を閉じてみる。
実際眠れなくても、こうして瞼を閉じて横になる事でも体は休めているらしい。
…脳は、実際眠る事はないんだから、起きているようにあれこれ考えなければいい訳だが…、中々な。
ふぅ。


「…たぬき、発見」

「ゔ…紬…」

「たぬきかと思ったら課長でしたね。本当は、何も声を掛けずに上に乗っかってみようかと思ったのですが。
びっくりし過ぎても危ないと思って止めました」

「それで?声を掛けて乗っかったのか」

「はい。…課長の溜め息の訳を探りに来ました。
私のせいですか?
…私、愛想をつかされてしまいましたか?もう、無理ですか?」

もの凄く真面目な話をしているのに、課長の上に跨がって座ってるなんて…。
何か、変。

でも話は真剣だ。

…私の事は、もう抱けない。
そういう関係になってしまったという事。

「はぁ。愛想もつかしていない。無理なんかじゃない。
紬を休ませる為だ。
一緒に居たら、俺が駄目なんだ。だから、こうして離れている。
…降りてくれるか」
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