【続】興味があるなら恋をしよう
前日から少し怠さはあった。
課長は出張に行ってしまった。
今日は出張二日目…。
課長は明日じゃないと戻らない。

熱を計ってみた。…38.5度か…。
う、わ…怠くてフラフラするはずよね。
はぁ。
どうしよう。…死ぬかも。…なんて。


会社に連絡を入れた。
休みますと告げた。

とにかく、休んだからには身体を休めて、早い回復に努めなくては。
ベッドに逆戻り。バフッとうつ伏せて手を広げた。

一人では広過ぎる…。はぁ。…寂し過ぎる。

……しんどいよぉ。…風邪かな、やっぱり。
あ、薬…、飲まなくちゃ…。
何か少し食べてから飲まなくちゃ。
はぁ、しんどいよ。

…課長。

風邪ひいて休みました、なんて、報告メールは要らないですよね?
心配かけるだけだから。

とにかく、寝よう。

はぁ、熱い。身体が…熱い…。


ん…ん…今…何時?
時間もよく解らない。

あ、着信が…ある。坂本さんだ。

【どうなんだ?大丈夫なのか?熱は?食欲は?薬は?
帰りに寄るから】

え?帰りって。
寄るって、うちに来るの?
えー!

何時?…6時過ぎてる。
私、とにかく爆睡したんだ。トイレも行かず…凄い寝たんだ。汗で水分出ちゃったのか…。

あ、取り敢えず、坂本さんに連絡を。
早いうちに連絡してくれているから、返信が無いイコール、重症だと思われてる畏れが…。

えっと、どうしよう。
そのままだと駄目よね
えっと。

【大丈夫です。薬を飲んで凄く寝ましたから】

ブーブー。坂本。…えー!!早っ。

【藍原、今メールくれたんだから起きてるだろ?
部屋に居るんだろ?】

え、どうしよう。あ、また来た。

【部屋が解らない。教えてくれ】

え?もう来てるって事なの?

RRRRR… RRRRR…。えー!!!電話ー!

「はい…」

「下に居る。何階だ、部屋は何号室だ?」

…。

「藍原?」

「…505です」

「解った。開けてくれ。すぐ行くから」

…。

オートロックを開けた。
きっと直ぐ上がって来てしまう。

…パジャマ。
汗で濡れたパジャマをせめてルームウェアに着替えておこう。


ピンポン。来た。…早いですってば…。
ちょっと待って!…まだ。着替えが…。

部屋、教えてしまった。
当たり前だけど、来てしまった。

あっ、…抜け殻。
ちゃんと洗濯カゴに入れて置かないと、また、恥ずかしい目に遭うじゃない。
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