【続】興味があるなら恋をしよう
指輪というモノに思い入れが無いのかも知れない。
…式。
それに伴う事もまだだからかも知れない。


「ダイニングテーブルとか、俺が座る事に何か嫌な事は無いか?大丈夫か?
課長が座ってるのはどの椅子だ?避けるから」

「そんな…こだわりませんよ。
さ、…尚紀さんが気にするなら、ここが課長の席です」

「じゃあ、避けよう」


ご飯が炊き上がり、一緒に食べ始めた。
椅子は離せばいいのに、…横に並んで、肘が当たりそうな距離で食べていた。

「明日、一緒に通勤出来るな」

あ。

「泊まるって本当に?
あ、ご飯、おかわり入れます」

「本当だよ?
ん、サンキュ」

「あの、…着替えは?」

「取り敢えず、パンツとTシャツ、ワイシャツも靴下も買った。
デパート行ったし?」

あ、これデパ地下のだった。

「…ちゃんと準備万端で来たんですね」

「当たり前だろ。看病しに来たんだからな。
寝てるとは思ったけど、返信が無い程寝るって事だから、辛いんだろうと思ったし。
マックスで仕事終わらせたんだ。
来た時間、早かっただろ?」

「あ、そう言われれば、定時前に出た事になります」

「外から直帰って事で。今日は目を瞑ってくれ」

私の為にしてくれたんだから、…早帰りが誰にもバレなきゃいいけど。

「有難うございます。お陰でご馳走になってます」

「おう。
薬はあるのか?」

「大丈夫です。買って置いてあるのを飲みました」

「病院は行かなくて大丈夫か?」

「んー、熱は下がったみたいなので、大丈夫かと」

「様子見ってとこか」

「はい」

「紬…俺…」

「は、い」

何?急に…。

「後でシャワー使わせてくれ。
あ、また」

「Tシャツ、パンツで平気ですよ」

「フ。よくお分かりで」

「はい。私達の仲なので。
片付けとかするんで、先にどうぞ?タオルも解ると思います」

「ん、じゃあ、色々借りる。あ、後片付けとか、無理にするなよ?俺がするから」

「大丈夫です」
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