【続】興味があるなら恋をしよう
ピンポン。ピンポン。

ん…ん、ん、…ん。

ピンポン。ピンポン。

…な、に?

…。

ピンポン。ピンポン。

はっ、…いけない。部長?
……え?…鍵は?

「はい」

「あ。藍原」

「え?坂本さん?」

「開けてくれ〜」

え…でも、…こんな時間。部長も居ないし。

「こんな夜更けに、駄目です」

…。
…。

「ブ、ハハハ。ね?大丈夫でしょ?」

「え?何?」

「紬、俺だ〜」

「え?部長?え?坂本さんが、部長の真似?」

「違う違う」

「紬、坂本と上がるから。服をちゃんと整えて待っているように。以上」

部長…。凄い酔ってる?
本当に二人なの?

ピンポン。

「はい」

あ、…。本当だ、男前が二人。

「ただいま〜、紬〜」

「あ、えー?!ちょっ、部長」

「藍原、取り敢えず上がるぞ。部長を運ぶ」

「はい。こっちにお願いします」

…おー、寝室か。
部長を寝かせてネクタイを解き、靴下を脱がせた。

「坂本ぉ〜……」

「駄目だな。弱いって言ってたけど、これ程弱いとは。
…寝ちゃったかな」


「あの、一体…」

「あー、悪い、水、いいか?」

「あ、はい。
…はい、どうぞ」

「サンキュ。
さっきは悪かったな、試すような事をして」

「え」

「部長が居ない夜中に、俺が来たとしても、藍原は部屋にあげたりしませんよ、ってね」

「…そういう事ですか」

「うん。だから、藍原が、はいどうぞって、言わなくて良かったよ」

「それは…」

「無いとは、言えないだろ?」

「事情によります」

「そうだな」

部長のお水も、持って行っとかなくちゃ。


「今夜は俺と飲んでたんだ」

「は、い」

そのようですね。
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