【続】興味があるなら恋をしよう
課長の部屋は会社から少し遠い。
私が居た部屋からは徒歩圏内だったから、その点では、朝、のんびりとしている訳にはいかなくなった。
課長は車通勤をする。
私は電車。
未だ付き合いは公にしていない。
課長は乗って一緒に行けばいいと行ったが、それこそが噂の元になる。
だから私は電車でいいと希望した。
噂から、この付き合いを公にしたくない。
部屋から完全に退去したら住所変更をしないといけなくなる。
それこそ、課長と同じ住所になってしまうのだ。
部屋番号まできっちり同じになる。
書類を出して終えば、個人情報とはいえ、知らず知らずの内に広まって終うだろう。
人の口とはそんなものだ。
課長の評判はどうなってしまうのだろう。婚姻届けを出して姓が変わった、ではない。同居…同棲………悪く言われる事はないのだろうか。
そうなる前に、部長に事情は話しておくのだろう。
…なんて話すんだろう。
結婚を前提の付き合いをしている。一緒に暮らす事は親も了承済みの事で、いずれ結婚します、と言うのだろうな。他に言いようは無いもの…。
…住むところに困っている部下に、部屋を貸しているだけだ、みたいな、言い訳がましい誤魔化しはしないだろう。
…実家でどんな話をしてきたのだろう。