【続】興味があるなら恋をしよう
「藍原」
胸に当てた耳に、課長の声が身体からも響いてきた。
「俺自身が付き合ってはダメだと否定されたのとは違う。喜んでくれていたのは確かじゃないか。まあ、な…。話の語尾に、これが本当ならなって、付いてはいたけど。本当だって伝えたし、実際、本当に付き合っている。
だから、いいんじゃないか?何でも無い事だよ。
俺を傷付けたって心配なら、するなよ?真実は一つ、しかないんだから、な?」
「課長…、ごめんなさい」
「気にするなって言ってるだろ?大丈夫だ。藍原…。
…ん〜。………駄目か?」
「…は、い?」
何の事だろう…?
「ん〜。………今夜、というか。今から抱いては駄目かな…」
ボッ。ぁ…、え、課、長…。
カァーッと、一瞬で身体が熱くなるのを感じた。
「その…こんな日なんだけど、藍原の事が…。
俺の事を思って落ち込むのも見てるといじらしくてだな。困ってる顔も可愛くて…堪らないんだ」
あ、課長…そんな…。伺いを立てるような事も、言い訳も、言わなくていいのに。
コクンと胸で頷いた。
「はぁ。…藍原…」
ギュッと抱きしめられた。労るように髪を撫でられ、頭頂部にキスを落とされた。
両手で頬を包むと上向かされ見つめられた。
「…堪らなく好きだ。もう……離さないからな…」
少し照れくさそうに優しく強く言われ、抱きしめられた。