【続】興味があるなら恋をしよう
「飲み物は100%のジュースがいいですよね。お茶は…麦茶とかで大丈夫ですかね」

「俺が迎えに行った帰りに一緒に買って来るから大丈夫だ。何も買って置かなくていいよ」

「あ、は、い」

……。

なんだか…違う。…やっぱり、変。
迎えに行くのも課長が一人で行くつもりだし。買い物だって里緒ちゃんとしてくるって。
私は?…。なんだか疎外感を感じる…。面識もないし、課長の気遣いなのかも知れないけど。

…月末の事、言った事が影響しているのだろうか。解ったと言っても…気分のいい話ではないから。
課長はそんな人ではない。…私の思い込みなのかな。勝手に考え過ぎ?
でも、少し距離を感じるのは確かな気がする。

「…何か用があるなら、気にせず出掛けても構わないから」

…あ。…。
今も、黙り込んで考え事をしていたから、また余計な気を遣わせて終ったんだ…でも。

「用なんて、ありません。課長と一緒に出掛けないなら、休みに用なんてありません。なんの予定もありません!」

向きになって語気を荒げて終った。

「どうした…急に、そんなに」

「課長が、……他人行儀な事…言うからです…」

言い放って、居られなくなって、寝室に逃げ込んだ。


あ、……。はぁ。自分に…心に余裕が無いから、こんな卑屈な考え方をして終ったんだ。
課長は多分、二人で居る休みを潰す事になるからって…それを気遣って、言ったのに。
それを…。
慣れていない、りおちゃんと関わる事を減らそうとしてくれてる事なのに…臍を曲げて…。

逃げ込んでいる場合じゃない。
直ぐに謝らないと。
伏せていたベッドから飛び起きた。

カ、チャ。ドン。キャ。

ドアの前には課長が居た。
同時にドアを開けたようだ。
入って来ようとしていた課長にぶつかって終った。

「…課長。あの、…拗ねた態度を取ってしまって、すみませんでした。…ごめんなさい」

私が一方的に悪いんです。
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