【続】興味があるなら恋をしよう
…嘘です。
考えたところで上手くなんかならないだろうし。
全ては経験。実践ですよね?

…じゃあ、課長は経験値が高いって事になる。
あ、駄目だ。
また、じとーって考えてしまいそう。
何か言わなきゃ、そろそろ怪しい。

「…紬、俺の事好き?」

「え、あ、はい」

いきなりの確認。…何に繋がるの?

「だったら大丈夫だよ。好きな相手がしてくれるから、イイんだ。
反対に、受け入れられない人との行為を想像したら、虫酸が走るように思うだろ?
俺は紬とするキスは凄く感じる。…気持ちいい」

課長〜…。そこまで真正面から説いて頂かれると、恥ずかしいです。それに、私は真面目にキスの事、考えてませんでしたから。それはごめんなさい。

…あー、見つめられているのは、やっぱり私からするのを待ってるって事?…恥ずかしい。
髪を撫でられた。

「…悪くないもんだな。早い時間だけど、こうしてベッドの上に居るのも。
若い子だと、ずっとこうしてべったりって、当たり前な事なのかな」

えー。私に聞かれましても、若い子の事はちょーっと解りませんが。

「若い子に限らないんじゃないでしょうか。お互いがそうしたいと思ったら、ずっと、まったりしているんじゃないでしょうか」

そういえば、ここ最近の課長は、前にも増して、一緒に居る事を凄く求めているような気がする。
…夜の行為も…とても。それは、好きだからしようがないって言うけど…。
とにかく、一緒にいたいオーラが凄い。
まるで、いつも自分が居るって事、存在を、私に感じ取らせているみたいな…。それだけ不安にさせている事になる…。
課長は、私が課長って呼び続けていても、何も言わない。
家でも課長って、つい、ずっと呼んでる。

「…た…くみ…」
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