【続】興味があるなら恋をしよう

はぁ…なんて…色気のある顔に変身してしまうのだろう…。普段の課長のイメージとはガラッと変わって、途端に雄になる。こんな表情、女子社員の中で見た人は居ないのだろうか…。勿論、仕事中に見せる顔ではないのは当たり前だけど。
もしかして私の入社前に、歴代先輩女子社員と…あったかも知れない…。
抱き上げられ、目に入る喉仏のある首にもドキドキする。
色気はどこからも洩れていた。


軽々とベッドに運ばれ降ろされた。
緩めていたネクタイを解き、スーツを脱ぐと私の上に跨がった。部屋の明かりは点けていない。
丸いオレンジのライトだけが、浮き上がるような柔らかい光を放っていた。

ボクサーパンツのみになった身体をマジマジと見てしまった。
課長は私の顔を見ているのに目が合わない事に少しだけ首を傾げた。
目線を辿られれば簡単に気付かれてしまう…。二度目なのに…なのにまだ見惚れていた。
初めての時…こんなにじっくりと見る余裕なんて無かったもの…。
男の人の身体に色気を感じるなんて…。
誰と見比べた訳じゃない、誰の生の身体も久しく見ていない。だから、あくまで想像、妄想の感知。
…アスリートのような身体って、よく耳にするけど、こんな感じなのかな。そこまでやり過ぎた感は無い…いい感じに引き締まっている。陰影がある事でより際立って見える。

…嫌だ。かなりじっくり眺めてしまってる。
これでは私だって、充分エロいんですけど。…ぃやん。自覚すると急に恥ずかしくなった。今更だけど、手で顔を覆った。

「…藍原。まだ何もしていない。…ぃやん、なんて言われてもだな…」

え?…まずい…声、洩れてたの?
口を押さえたところで、もう遅いけど。顔も…きっとエロくなってた。
課長…見逃して、聞き逃してくれたら良かったのに。恥ずかしいぃ…。

「もう…駄目…」

「フ…妄想で、もうイってくれたのか?」

「か、課長ーっ!」

そんな色気だだ洩れの瞳で見つめないでください…。
…いくら課長が素敵でも…そう簡単には……イったりしないもん。

「違いますー!…妄想なんて」

大きな声を出しても完全な否定は出来ない。…確かに妄想はしていたから。
でも。

「…イってなんか無いです……未だ…」

穴があったら入りたい。消え入りそうな声で主張した。
恥ずかしくても、小声でも、そこはしっかり否定したかった。
少しだけ、です…既に感じてしまったのは確かですけど、…何か?

…。

「ん?まあ、いい。よっこいしょ」

?。抱き起こされた。
回されていた右手が後ろのファスナーを下ろしていく。ジーッと長く無機質な音に紛れて、何度でもイかせるから、と低く囁かれた。ぅ、わ〜ぁ〜。…。はい…もう既に…ダメかも知れません。
課長ってこんな人だったのかな…。もう課長の腕の中でグッタリしてしまった。
フッて笑われた…。のは、覚えてる…。
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