【続】興味があるなら恋をしよう
「あぁ…起きたのか?…大丈夫か?
眠ってるんだと解っていても…心配した。起きないんじゃないかって」

胸に乗せていた左手を握られた。

「え…あ、は、い。…大丈夫です」

何度聞いても、この問い掛けられる声に痺れる。安心感さえ感じる。
好きな声はずっと聞いていたい。

「…ごめん、なさい。あの、私…直ぐ眠ってしまったようで…。
…覚えて無くて」

「ん、…ごめんな。身体、しんどいだろ。お腹空いてないか?」

そう言えば、晩御飯はまだだったのよね。
…夕方からずっとだったから。…。
でも不思議とお腹は空いていない。
なんだか、凄く満たされていた。

「大丈夫みたいです。まだ」

「そうか。じゃあ、もう少しこうして横になって休んでるか」

「はい」

またちょっとだけ顔を胸に当て直した。

微睡みかけた私の顎に手を当て上向かせると、課長はかなり無理な体勢から器用にキスをした。
そんなに傾げたら、課長の首が折れるんじゃないかと心配になった。

「ん…離したくないな…はぁ」

ギュッと抱き寄せられた。
…怠いのに、…駄目なのに、唇に触れられただけで身体は課長に反応してしまう。
シた後、素っ気ない男の人も居るって聞くけど。
ずっとこうして、気怠い身体を抱きしめてくれている。
…幸せだ。課長は凄く優しい。

ずっと側に居てくれる。心が凄く満たされる。
…幸せ過ぎる。
いつもそう思ってしまう。
はぁぁ。
幸せな溜め息なら、いくらでもつき続けたいけど…。
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