【続】興味があるなら恋をしよう
金曜日、遅めだけど、いつも通り課長の部屋に帰って来た。
月末の金曜日はしておく事が多くて、課長はまだまだ帰れないようだった。

【先に帰ります】

お先に失礼します、という挨拶とは別に、メールをした。

【ゔ〜ん。まだまだ帰れそうにない。気をつけて帰れよ。
着いたらメールしてくれ】

仕事の手を止めてメールしてくれたと思うと、それだけで嬉しかった。


【家に無事着きました】

【了解】

はぁ。
晩御飯の支度をしよう。
課長、遅くなるから、あっさりした物の方がいいわね。
酢豚の白身魚バージョンにしてみようかな。重いかな。
疲れた時は酸っぱい物がいいって女子だけかな。
単に私が何となく食べたいと思っただけかも知れない。

軽くシャワーを浴びる程度にお風呂に入った。
夜出歩いても大丈夫そうな控え目な洋服を着て、クローゼットから大きめのトートバッグを取り出した。

取り敢えず、二日分の着替えを入れた。
タオルも…シャンプーも、生活する為に必要なものは全部持って行かなくちゃ…。
小さいボトルの化粧品も。
細々した物は今の頭には浮かびにくい。
他には…うっかり忘れたら、コンビニに行けばいいか。
ファスナーを閉め、肩に掛けた。

そして、ダイニングテーブルの上に封筒を置いた。
行って来ます、そう呟いて部屋を後にした。
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