【続】興味があるなら恋をしよう
☆☆ ☆
先生はここでは詳しい検査は出来ないので、早目にきちんと病院で診てもらってください、と言った。
もし妊娠しているなら、今は、何とも、初期には本人も気が付かない内に流産してしまう事もありますから、と言った。
取り敢えず、安静にしてください、もしかしたら、食欲とか、落ちてなかったですか、とも聞かれた。
あくまで可能性の問題ですから、解りませんけど、と言った。

食欲…んー、…確かに。
そう言われると、お腹が空いていても、そんなに食べていなかったような気もするが…。
もしそうなら、俺…何してるんだって…。
一緒に暮らしているのに、紬の変化に気が付かないなんて。
葵の事だってあったのにな…。
…葵の場合は妊娠は解っていて、危ない状態になったから…。
だが…妊娠という事に、全く免疫が無かった訳じゃない…。
妊娠…。………。

…今は紬の身体が第一だ。
紬、元気になってくれ。


「…あ…課、長」

「…目が覚めたか」

課長が手を握っていた。
目が覚めた時、課長が居てくれたなんて…。
仕事に戻っていないといけない時間はとうに過ぎているのに…。

「お、どうした?どこか…痛いのか?」

首を振った。…どこも痛くなんか無い。

「課長の顔が…目が覚めた時に見れて。居てくれた事が、何だか嬉しくて…」

「あ、紬…」

それでウルウルしてたのか。全く…可愛いやつだな。どれだけ俺の心を捕らえるつもりだ。

「紬、今日はこのまま休むんだ」

「え?もう大丈夫ですよ?」

「いいから、寝ててくれないか?頼むよ」

「あ、は、い。課長がそう言うのであれば…」

「帰りは一緒に帰るから、俺が来るまでここに居てくれ。いいな?」

「はい」

「ん。じゃあ、俺は戻るけど。無理に起きたりするなよ?横になってるんだぞ?」

「は、い」

…。
大した事ないと思うんだけど。…課長。
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