【続】興味があるなら恋をしよう
ブーブー…。ん、待ってくれよ…。
藍原だ…。

【取り急ぎ、ご報告。妊娠はしていませんでした】

【連絡、有難う。俺も取り急ぎ、返事のみだ】

…そうか、…してなかったか。藍原的にはホッとしただろうな。
はぁ。
…駄目だよな。何の準備もなく、しちゃ。しかし、だな、あの場合…。
それこそ、衝動に、負けた。何もかも負けた。
後悔ではない。

抱いてしまった。
やはりどれだけ経過しようとも、俺の中に藍原は居続けている。…何もかも。
はぁ…何とも…。

あの日…、どんなに何度愛しても、愛し足りなくてキリが無くて。俺は…。
…やはりどうしても、離したくない、帰したくないと思ってしまった。

昂ぶった熱は今でも中々落ち着いてはくれない。
後悔は無い。二度と無くても、心自体は辛くない。………。

藍原…、随分、心配になっただろうな。
課長だけなら、なんの心配も無いところを…。
一夜のこととはいえ、俺とのコトがある。

…求め合ってしたコトとはいえ、冷静なところでずっと不安だったよな。
もし妊娠していて、そしてそれがあの日の俺との子だったらと思うと…。

だから、今回は、妊娠していなかった事に感謝する。
藍原の立場を思えば、だ。
…ごめんな。
これはする方の、男の責任なのにな。
藍原…妊娠していたら、どうするつもりだったんだろう。

…。

課長の事だ。
自分の子だ、って、何事も無く妊娠を認めるだろう。
例え俺の子だったとしても、そこに俺は関係無いって…。
事実を認めてそう言うだろう。
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