君の花火
楽しい話って、あっという間だよね。
授業の間の休み時間はあっという間なのに、授業中の今はすっごく長く感じる。
つまんない…。
先生の話が全部お経に聞こえる。
暑さのせいと、授業の気だるさで頭がクラクラする。
ブーッ
スカートのポケットの中に入っている携帯が鳴った。
佑都?…ああ、さっきの。
『だいじょうぶか』
変換くらいしなよ~。
いつもの無愛想なメールの内容から、優しさが伝わってくる。
佑都らしい。
『大丈夫だよ』っと。
返信するとすぐに返事は返ってきた。
『検査とっとと終わらせてこい』
うわ。命令かい。
ムカつく~。
佑都を睨むとフッと笑われた。
腹立つ。
今の絶対あたしのこと馬鹿にした。
ベーっと舌を出すと「アホ」と口パクで言われた。
「誰がアホだって?!」
「お前だ五十嵐。座らんか」
しまった。
授業中だったの忘れてた!!
現社の担当、松本こと松さんに怒られた。
ついでに教室の笑いもとってしまった。
うわ、ハルも笑ってる。
麗ちゃん、そんな目で見ないで。
健ちゃん、あんたは黙れ。
健ちゃんの椅子を思いっきり蹴ってやった。
「うわっ!!何すんだよ!!」
「いや、ちょっと腹立った」
「だからって椅子を蹴んな!!」
ギャアギャアと騒ぐあたしと健ちゃん。
はやし立てるみんな。
「お前らあー!!ちったー黙らんか!!!」
松さんがキレた。