君の花火
「あ、ハルん家もうすぐ?」
「通り過ぎたよ」
「えっ?!嘘!!戻らな!!」
会話に夢中になりすぎた。
「いいよ。送る」
送るって…。
「帰り道迷うよ?」
「迷ったら連絡する」
「どうやって?」
「だから、その…」
なんだろう。
「番号!教えていただけると…嬉しい、の…ですが…」
恥ずかしそうに、耳まで真っ赤にして目を逸らしたハル。
「…真っ赤」
「うるさい。言わないで」
照れたのか、ハルは下を向いた。
やばい。嬉しいかも。
「あははっ!!いいよいいよ」
「笑うな」
ハルがスネてる。
可愛い。
「ん、登録した」
「ハルの友達第一号~!」
あたしの携帯に『ハル』と入れた。
ハルの番号。
アドレスには『haruki-0802』と書いてあった。
ハルの誕生日、8月2日なのかな。
「向夏」
…え?いま
向夏って。