君の花火
君が少し先を進む。
君の背中を見たとき、さっきの笑顔が脳裏を過ぎった。
俺は、また恥ずかしくなって、手で顔を押さえた。
「その笑顔、反則」
火照る身体。
確認しなくても分かる。
きっと耳まで赤いに違いない。
少しため息をついて、君の背中をもう一度見た。
あーあ。
もう、君はずるいよ。
自覚してしまった。
認めるしかなかった。
あの時、高台で君と出会ったときから
俺は君に、落ちていたんだ。
好きに、なっていたんだ。