君の花火


「ぷっ」


…ん?

ぷ?


「あははっ。君たち面白すぎでしょ!」


ハルは口を大きく開けて顔をクシャっとして笑った。


「…また、笑った」
「おい広瀬…何笑ってんだよ!!」
「いや…だって…あはっ」
「向夏、どうしたの?」
「ううん、何でもない」

ドキ…

ん?ドキ?


胸んところがこそぐったくなった。


「広瀬くん~」
クラスの女子に呼ばれ席を離れたハル。


あたしの席からは、その子達とハルが何を話しているのかは聞こえない。
ただ声は聞こえなくとも、表情で分かった。



「……」



あ。



今、気まずそうに、ハルが笑った。





この顔は、なんか嫌だなあ。





< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop