魔法使いの危機

「次はコピーをしつけないといけないの」

結衣の言葉に皆はわからなかった

「だってこのコピーが集会場にいるときに
私たちは研究所にいるでしょ
だから自分のコピーが何をしているかは
わからない
それだったらきちんとしつけないと
一番やりがいがあるのは
新のコピーね
まったくどれだけ物を壊せば
気がすむのか…」


確かに新のコピーは部屋の中にある
ありとあらゆる物を壊していた


「おい、俺
物を壊すなよ！」

新が言うと自分で自分に言ってるようになり
変な感じになった
新のコピーは聞く耳も持たずに
ソファーの上で跳び跳ねていた

「本当はこんなことをやって
暴れたかったのかな新は

こういうときは荒療治しかないね
新のコピー、深層心理から改めろ
マインド・ブレイク

きっとこれで大丈夫なはず
試しに新が自分のコピーに
どうなってほしいかをなるべく詳しく
耳元でささやいてみて
元の性格は今ないから
簡単に言えばリセットしたってこと」

「わかった
とりあえずやってみる」

新は魔法によって眠っている自分のコピーに
歩み寄り耳元で囁き始めた

決して自分勝手な行動をしないこと
他の人に絡んでいかないこと
物を壊したり暴れないこと
話は落ち着いて聞くこと



全てを言い終わると結衣は手を叩いた
すると眠りから覚めさっきとは
優って変わっていい子になっていた

「これで次に作り直しても
問題なくいい子ができるけど
どうせなら明後日までそのままで
いいわね
仲良くしておいた方がいいから
他のコピーはそこまで悪さはしてないから
各自で出来るわね
明日までにはちゃんと作戦練るから
待っててね

とりあえず緋優と美海と真琴は
私の部屋に来て
一緒に考えてほしいの
ほら私って回復が本来専門でしょ」


「わかったわ」

「おう!!」

「私の力が役に立つわね
きっと」