プロポーズはサプライズで
プロポーズはサプライズで
それは仕事中のこと。
LINEメッセージ着信音がなり、私は人目を気にしつつスマホをカバンから取り出した。
『今日の夜、外で飲まないか?』
彼氏であり上司でもある国島さんからのそんなお誘いに、一もにもなく了解スタンプを返した私。
ちらりと彼のデスクを見れば、真面目にディスプレイとにらめっこしているように見えるのに。
仕事中にデートのお誘いとか、なんか慣れなくてドキドキする。
誰かに見られたら……と思うと落ち着かないし、でも顔はニヤニヤしちゃうしなぁ。
これが社内恋愛ってやつか。結構度胸いるんだなぁ。
でも、仕事中でも私のこと考えてくれてるのかと思ったらかなりときめく。
しかし、続いてやってきた文面を見て、私の顔が強張った。
『前に頼んでいた、三笠くんのプロポーズの件、夜までにちゃんと詰めといて』
なんだよ、半分仕事か。
まあでもね、私の高校時代からの大事な友達ふたりのことですから、もちろん真面目に考えるけどね?
でも、喜びが空回りしちゃった感じでなんか悔しい。
返信できずにスマホをじっと睨んでいたら、いつの間にか国島さんが近くに来ていた。
げ、見られた。
あからさまにテンション下がったの、ばっちり確認された。
「川野、仕事中だ。ケータイばっかりみてんじゃないぞ」
国島さんはにやにや笑いながら、私の肩をポンと叩く。
「くっ……は、はい」
悔しいー!!
人のこと、一喜一憂させて喜ぶのやめてくださいよねーっだ。
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