プロポーズはサプライズで


「言っちまった。……情けねー。すげぇ余裕のない男みたいじゃないか、俺」


恥ずかしそうに顔をそむけるその姿は、いつもの堂々たる国島さんからは想像もつかなくて。
私は国島さんの顔を掴み無理矢理こっちを向けさせる。


「何すんだ」

「なんでそっぽ向くんですか。照れてる国島さんの顔、私、見たいのに」


あ、つるっと言ってしまった。
恥ずかしくなって今度は逃げようとしたけど、もう遅い。

逆にがっちり顔を掴まれて動けない。首を曲げたらギギギと音がしそう。


「痛いって国島さん」

「お互い様だ。俺にも見せろ」

「ヤダ。恥ずかしい」


そのとき、シャッという音とともにカーテンが開いた。


「……すーごい、バカップルだねー」


呆れたような声は三笠くんのものだ。


「見えないかもしれないけど、会話は丸聞こえだったからね?」


顔を抑えあってる姿を見られて、私の顔にはますます熱が集まってくる。
そうか。カーテンが閉まってるだけで、閉鎖空間ってわけじゃないもんな。


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