天神学園の問題児再来
「…何だ」

先に花龍の気配に気付いたか。

ヴラドがギロリと花龍を見る。

何の事はない、ヴラドは誰が相手でもこの調子だ。

花龍が来たからと、眼が優しくなるような事はない。

それは花龍も知っているので、別段傷つきも驚きもしない。

「今日はハロウィンですから、先生にお菓子を持ってきました」

「いらん、俺は甘菓子なぞ食わん」

「甘くないですよ、ガーリッククッキーですから」

「……」

ほぅ、ガーリッククッキーとは。

ヴラドの語気が少し鈍る。

「チーズも入れてみました。ワインに合うと思います」

北欧生まれのヴラドに合わせて、ワインを引き合いに出す辺り、やはり花龍は分かっている。

「それと隠し味に、私の血も少々…」

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