天神学園の問題児再来
「何」

花龍が言った途端に、ヴラドはしゃくり取るようにして、彼女の右手を摑んだ。

しげしげと、花龍の白い手を見つめる。

…絆創膏を貼っていなければ、傷痕もない。

いや待て、この娘は精霊術を使える。

既に治癒させたのかもしれない。

もしくは反対側の手か?

もう片方の手もしゃくり取った所で。

「先生、冗談です」

花龍が言ったので、ヴラドは彼女の顔を見た。

「流石に血は混ぜるなと、母に窘められました。不衛生だからと…」

「チッ」

軽く舌打ちして、ヴラドは花龍の手を放す。

俺とした事が、取り乱してしまった。

「悪い冗談だ。以後慎め」

「はい、申し訳ありません」

注意されたにもかかわらず、花龍は柔らかく微笑んでいる。

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