天神学園の問題児再来
「あ!いや!これは、違うきに!」

出来る限り優しく伝えたつもりだった龍馬。

なのに泣かしてしまった事で、しどろもどろになる。

「ほ、ほむら、すまんちや。そんなつもりじゃなかったぜよっ。すまんかったちや…泣き止んでくれると助かるきに…」

おろおろしている龍馬を見ていると、余計に涙が溢れてくる。

…違うのだ。

龍馬が言っているのは、尤もだと思う。

口が過ぎた、少々毒舌が過ぎたと、ほむら自身も思っている。

だがそれを、龍馬に指摘されたのが恥ずかしかったのだ。

龍鷺郎に言われても、真太郎に言われても、別段それ程のショックは受けなかっただろう。

翌日にはケロリと忘れて、いつものように毒を滲ませる。

親愛のつもりで、友愛のつもりで口にしていた言葉が、やや度が過ぎた。

いつの間にか、『度が過ぎていた』。

その事が、ほむらは恥ずかしかった。

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