天神学園の問題児再来
退屈だった事もあり、ブラリと声のする方へと歩いて行く紗雪。

そこには、鴉丸のお城周辺の沼や池に住んでいる河童達が集まっていた。

地面に大きな円を描き、その中央で取っ組み合い。

いや…。

「何じゃ?相撲か?」

紗雪は首を傾げる。

「やや、紗雪様」

その河童達の中から、竜河 カムイが声を上げた。

「ようこそ、大相撲鴉丸場所へ」

「大相撲鴉丸場所?」

またも首を傾げる紗雪の為に説明すると。

河童という妖怪は、相撲を好むという性質がある。

見かけによらず力持ちな河童は、相撲が強いという事が誉れであり、もし自分達を相撲で負かすような者がいれば、例え人間であっても尊敬するという。

彼らはこうして時折相撲大会のようなものを催しては、己達の武を競い合うのだ。

いわば河童版タイマントーナメント。

「紗雪様も参加されますか?まわしをつけて」

うら若き雪娘に褌を勧めるカムイ。

氷漬けにされるぞ。

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