天神学園の問題児再来
「そうか」

ゆっくりと向き直る瑠璃。

風が躱す避ける事有り得ず。

そのような意思を持った風は、この天神学園にさえ存在しない。

「存在するとすれば、風の如き動きをする者のみ…なぁ、禿鷲」

「…相変わらず切れるな、夕城 瑠璃」

砂埃がおさまる頃、そこには金髪眉目秀麗な青年が、背を向けて立っていた。

鴉丸 禿鷲。

臥龍の息子にして龍鷺郎のきょうだい。

「タイマントーナメントで敗北したきり、パタリと登校拒否になった貴様が、どうした。更生する気になったか?」

「俺が何を更生する必要がある?」

禿鷲は振り向き、薄く笑った。

「俺はいつだって、何者にも指図される事はない」

< 1,063 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop