天神学園の問題児再来
紅葉の反論を許さず、真太郎は尚もまくし立てる。

「そうやって無様な負けを晒したまま、俺に挑み、一度は敗北し、それでも尚食い下がって来る!その性根ゆえに、貴様はいつまで経っても目覚める事が出来ない!感服するほどの技量を持ちながら、それを無駄にする事しかできない!」

「っっっ…」

言われっ放し。

しかし真太郎の言葉は、鋭く紅葉の心を抉る。

川蝉の嘴のように。

わかっていたのだ。

夕城流次期宗主の空位を奪いに来た、などと聞こえのいい言葉を使っていたが。

…逃げていたのだ。

戦う前から琴月次期宗主の刹那を恐れ、戦う前から敗北を認めていた。

それを周囲に知られたくなかったが故の、虚栄。

あまつさえ真太郎に一度敗北し、それでも己の弱さを認めたくないが故に、禿鷲のような者と手を組んでしまった。

「その性根」

真太郎は前傾姿勢に構える。

「俺が打ち砕く」

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