天神学園の問題児再来
「な、何が打ち砕くだ!馬鹿の一つ覚えの川蝉翡翠じゃないか!」

言われっ放しが悔しかったのか。

紅葉はせめてもの反論をする。

いつまでも偉大な夕城流祖父のお下がりに頼る甘ったれた次期宗主。

そんな奴が、偉そうに僕に説教かと。

紅葉は真太郎を嘲笑する。

しかし。

「……」

そのような言葉に、真太郎は一切耳を貸さない。

川蝉翡翠を放つ時よりも、より強く、よりしなやかに、全身の筋肉を収縮させ、それでいて撓る竹のように折れず曲がらず。

剛柔併せ持つ事で、技の威力を増幅させる。

「聞いているのか真太郎!貴様とて、いつまで経っても先代に頼りっぱなしの…」

「聞いている」

真太郎は紅葉を睨んだ。

「頼りっぱなしかどうか、その身で篤と味わえ」

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