天神学園の問題児再来
そんなものは弱者の言葉遊びだ。

戦場とは弱肉強食。

卑怯汚いなどと言っているのは、真の戦場を知らぬからだ。

心の中ではそう思っていても、真太郎は返せない。

そう考えていた己の持論が、酷く負け惜しみに感じられた。

それを口にした瞬間、実力ではなく心構えでの敗北を喫してしまうような気がした。

「ちっ」

狂奏丸を納刀し、背中を向ける。

「口ばかり達者な奴らだ。俺は論じに来たのではない」

スタスタと教室を出て行く真太郎。

「興が削がれた。勝負は預ける」

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